性別:男
2001年にファイナンシャルプランナー(FP)として独立。
FP業務として、生保・損保の見直し、個人事業主のライフプランニング、金融資産運用の提案などを行っている。
現在、大手ニュースメディアやキャッシング利用者向けサイトでも執筆活動を行っており、
また、消費者金融5社、銀行15行に対しての電話取材経験があり、キャッシング・カードローンの調査データに精通している。
キャッシングの返済忘れの際の対処法
急な出費で困ったとき、手元に現金がないときに非常に便利なキャッシングサービス。
しかし、キャッシングはただ便利なだけではありません。
利用の際には、キャッシングについての基本知識を持つ必要があります。
今回は、キャッシングの基本知識と、返済ができなかった場合の対処法を紹介します。
キャッシングとは
キャッシングサービスについて
すでに利用したことのある方もいると思いますが、ここで一度キャッシングとは何かを説明します。
キャッシングとは、一般にクレジットカードにあるキャッシング機能を利用してATMなどからお金を借りることを言います。
クレジットカードを使い、クレジットカード会社からお金を借りるとも言いかえられます。
カードをただATMに挿入し、暗証番号を入力すればすぐに取引ができるためとても簡単に借りることができるというのが特徴です。
キャッシングはクレジットカードを申し込むときに上限額を希望し、審査を通じて利用枠を決める事ができます。なお、クレジットカードを申し込んだ後にも審査を受け、キャッシングの利用額を設定することも可能です。キャッシングの仕組み
まず、キャッシングはクレジットカード会社とのキャッシングの契約を結んでから利用可能になります。
①クレジットカードをコンビニのATMに挿入し、取引をします。
契約した上限額までお金を借りる事ができます。②後日、カード会社からキャッシングの返済額を含めたカードの明細が届きます。
③一括か分割払い、口座からの引き落とし等でカード会社に返済します。
このように、キャッシングは必要な時に上限額内のお金を借り、明細が届いたら明細に記載のある返済額をカード会社に返済するという流れで利用します。
キャッシングを使う理由
上記の通り、キャッシングはすぐにお金を借りることができる便利なサービスです。
そんな頼りがいのあるキャッシングですが、それを利用する目的とは何でしょうか。
どのような場面で使われることが多いのかをまとめてみました。
・生活費に当てる
生活費に当てるために利用するという目的が利用者の30%程を占めており、最も多い目的でした。
・商品の購入
購入したい商品があるが、手元にお金が無い時にキャッシングを利用するという人も全体の6%程いるようです。ATMですぐにお金を借りることができるという利点が働いていると考えられます。
・事業資金への運用
この目的も全体の6%程を占めています。
・投資やギャンブル
投資やギャンブルといったリスクの高い目的に利用する人も3%ほどいるようです。キャッシングする際の審査がないという手軽さが影響していると言えます。
ここでは、キャッシング利用者の目的を半分ほどお伝えしました。容易にお金を借りることができるサービスのため、利用目的も日常的なものが多く、多岐にわたっていることがわかります。
さらに、最近では学生の利用者も増加傾向にあります。金利の低下に伴い、資格の取得や進学を目的として若者もキャッシングサービスを利用しやすくなりました。
お金をかりることが自己投資といったポジティブな目的で使われるようになったことは、一昔前と異なる点と考えられます。
キャッシングのメリット
・審査時間がない
キャッシュ契約をしているクレジットカードなら、契約時に決めた範囲内ですぐにお金を借りることができます。
・いつでも利用できる
キャッシングは、ATMで取引できるため24時間365日利用できます。
キャッシングのデメリット
これまで、キャッシングサービスの用途やメリットを紹介しましたが、ここでは反対に知っておくべきキャッシングのデメリットについて説明します。
・お金を借りすぎてしまう
クレジットカード作成時にキャッシュ契約をしていればATMですぐに利用できるため、何度も利用しているうちに預金からお金を下ろしている感覚になり、お金を借りすぎてしまうという事態が起こりえます。手軽さがキャッシュサービスの利点でありますが、同時に借金しているという意識が薄くなるため気をつけなければなりません。
・カード会社からの補償制度がない
クレジットカードが盗難され、不正利用されても、キャッシングの場合はカード会社から補償されないことが多いです。キャッシングの利用の際には暗証番号が必要になりますが、暗証番号は個人しか知りえない情報であるため、それを利用されても個人の責任と捉えられるためです。万が一、不正利用されてもカード会社から補償されないという点は、個人情報の自己管理を徹底することの大切さとともに、キャッシングを利用する際に知っておくべき重要知識と言えます。
・キャッシング枠が付いている時点で借金をしているとみなされる
金融機関の中には、キャッシング枠があればいつでもお金をかりることができるため、借金をしているとみなすところもあります。けれど、クレジットカードのキャッシング枠は希望に応じて外すことができます。キャッシングサービスが不要と感じる場合はカード会社に問い合わせ、変更すること可能です。
キャッシングの返済について
キャッシングの返済方法
キャッシングの返済方法は①一括払い②リボ払いの2種類あります。返済方式は借入時に選択することができます。
①一括払い
キャッシングをして借りた額と利息を期間内にまとめて一度に返済する方法です。
期間はほとんどの会社で借りた日から約一ヶ月となっています。
また、当日返済することも可能です。当日返済の場合、利息がつかないため返済の負担が少なくなります。当日に全額返済することができなくても、翌日からかかる利子を減らすことができるため当日返済をおすすめします。あらかじめ、キャッシュの返済が可能なATMと取引可能時間を確認することで当日返済を心がけると良いでしょう。
[一括払いのメリット]
・利息負担を軽減できる
利子は、返済できるまでかかり続けます。そのため、何ヶ月もかけて分割払いすることになると、もともと借りていた額よりも利息による負担額のほうが大きくなることもあります。
一括払いは、総支払額を圧縮できる利点があります。
・手数料の負担額を軽減できる
返済時にはネットバンキングやATMを利用することになりますが、利用回数が多くなるほど手数料も大きくなります。返済を何度にも分けて行うと、その度手数料がかかり総支払額は大きくなってしまうため大きな負担となります。そのため、返済金額の用意ができた段階で一括払いをすると良いでしょう。
・完済することで、次の借入も可能になる
完済することで金融機関からしっかりと完済できる顧客とみなされるため、比較的審査も通りやすくなります。一括で完済できれば精神的にも楽になりますし、また現金を借りる必要ができた時に利用することが可能になるため大きなメリットであると言えます。
②リボルビング(リボ)払い
リボ払いでは、支払い残高に応じ、借りた額と手数料・利子を合わせた毎月の支払い額が設定されます。毎月の返済額が一定であるという特徴があります。借入時に一括払いを選択していても、リボ払いに変更することが可能なカード会社もあります。
[リボ払いのメリット]
・毎月の返済額が一定
毎月の返済額が一定なので、一括払いと比較し支払い負担を抑えることが可能です。無理のない金額で計画的に返済することができる点は魅力的です。・毎月の家計の管理がしやすい
その月の返済額を確保できれば、その他に当てるお金を決めることも簡単にできます。その他に使えるお金を計算しやすいことはリボ払いの利点と言えます。
キャッシングの返済を忘れたときの対処法キャッシングの返済は口座からの引き落としや、ATMでの振込(一括払いまたは分割払い)になります。
ここでは、口座の残高が足らず返済を行えなかった場合、ATMでの振込を忘れた場合にどうなるのか、どのように対処すればよいのかを説明します。
キャッシングの返済を忘れた場合どうなるか
・遅延損害金の発生
キャッシングの返済が遅れると遅れた分だけの遅延損害金という追加料金が発生します。遅延損害金は、日毎に増加していきます。また、これを無視すればカード会社からの取り立てや返済の一括請求、さらには給料や家財の差し押さえにまで発展します。返済期間が過ぎた場合、金融機関からの催促の連絡が来ます。この連絡が来た段階で既に遅延損害金は発生しているため、早急に返済する必要があります。
・ブラックリストに載る
遅延損害金という追加的な料金が請求されるだけでなく、ブラックリストにも登録されます。一般的には、三ヶ月の滞納でブラックリストに登録されるとされています。ブラックリストに載った場合、新たな借り入れはもちろん、他の金融機関の審査も厳しくなります。さらに、登録されたデータは完済から5年間は消えないため非常に重いペナルティーといえます。
返済を忘れた時の対処法
・金融機関に連絡する
本来は、返済が不可能とわかった段階で連絡することが望ましいですが、期日後に気づいた場合もすぐに連絡する必要があります。実際、すぐに金融機関に事情を説明し誠意をもって謝り、返済期日を延長してもらったケースもあるようです。万が一返済を忘れてしまった場合は、必ず金融機関に連絡し誠意をもった対応をしましょう
・最小返済額だけでも支払い続ける
最小返済額は、元々借りた額のほか、損害遅延金、利息が含まれるため、これを払うだけでも総支払額が減ることになります。一部だけでも返済することで、ブラックリストに登録されなくて済むため支払う意味はあります。
キャッシングの返済忘れの予防策
キャッシングを利用する際、上記のようなリスクを負わないためにも返済忘れを避けたいものです。
ここでは、返済忘れの予防策について書きます。
・期日の把握をしっかりとしておく
これは当たり前のことですが、上記の通り、期日を超えた場合の損失が大きすぎるため徹底するべきです。また、期日が近づいたときに現金を用意することができれば返済できなかったというような事態を防げます。
・複数の会社から借り入れをしない
キャッシングの返済日は会社によって異なります。うっかり返済し忘れたということのないよう、複数の会社を利用している場合は一つにまとめたほうがよいでしょう。・なるべく即日一括払を心がける
借りてから日にちが経つとどうしても借りたことを忘れてしまいます。上記の通り、一括払は多くのメリットがあるため、返済を後回しにするよりも確実によいと言えます。まとめ
キャッシングは非常に簡単に利用でき、便利なものではありますが、注意しなければいけないことも多く、正しく利用しなければいけません。上記のことをしっかりと理解し、適切に利用しましょう。