演技がうまい詐欺師に騙されない方法

（知人）お金がありません。
（詐欺師）そんな高額なお金は必要ないんです。
投資信託みたいなファンド形式で小口でも可能だし石油が売れれば利益も大きいんですよ。ところであなたは株とかFXとかやりますか？
（知人）一応ある銘柄の株は持っています。
（詐欺師）この件は水面下でしかお話ができないうえ投資をしている人のみに提案しています。
注意深い調査があって厳しい審査のもとあなたが選ばれました。
投資で儲かるなんて怪しいって思われるかもしれませんが株なんかよりずっと儲かりますよ。
船が沈没さえしなければ数カ月後には儲かるんだから悪い話ではないと思うのですが…。

このようなやり取りが20分ほど続いたそうです。
詐欺とはわかっていながらもその話の巧みさについつい感心してしまったのだとか（おい！）。

その知人は株式のことなら本当に詳しい人で信用状付荷為替手形のこともかなり詳しい人なんですが、そんな知人でさえ説明の仕方が上手でその気にさせるのがうまいなと思ったのだとか。
おそらく専門用語の説明はほとんど合っていて途中から本当っぽい話に聞こえちゃったそうです。

ただ、この詐欺師はNGワードを連発していたためせっかく説明がうまいのに詐欺師だってバレやすくてもったいとか言ってましたね（おい！2回目）

電話番号は証券会社から聞いたので安心してください（←できるわけない）
この件は内密にしか進められない話で表には決して出せない（←怪しすぎ）
あなたは厳しい審査を通過した数少ない候補者から選ばれた人（←なんか怖い）

…確かに、人をだますために詐欺師がいかにもいいそうな典型的なセリフばかりですね。

最後に二度と電話をかけないように伝えその話は終わったそうです。

劇場型詐欺と呼ばれる金融詐欺はある程度の金融知識があって、
私は絶対にだまされないから大丈夫
と思っている人ほどコロッと騙されます。
今買えば後で確実に利益になる
という儲け話に意外と耳を傾けてしまうのです。

劇場型詐欺の詐欺師は役者です。
今回知人の話を聞いて、詐欺師は大根役者ではなく嘘話を本当の話っぽく伝えるのがかなり上手なプロの役者なんだなと思いました。

かなり魅力的なストーリーで説明されるもんだから迂闊にも途中から聞き入ってしまったと知人も話しておりました。


消費生活センターに寄せられる劇場型詐欺の相談件数は1ヶ月の平均で1,500件以上もあります。
詐欺師が目をつけるのは在宅時間が長い高齢者や女の人。
劇場型詐欺はますます巧妙化しており警察官を始め弁護士や公的機関の役人、証券会社の人間などの役を配置して人をその気にさせます。
偽のパンフレットや通帳などを用意するのなんて当たり前です。


典型的な例としては電話をする前にパンフレットを送り電話にて購入を勧誘する方法。
ここまでなら詐欺だって分かる人も多そうですが劇場型詐欺のよく出来ているところはここから。
電話での勧誘に断られるのはすでに想定済みの詐欺師は、声の違う別人が異なる業者（もちろん電話番号も違う）を装って再度電話をしてその商品がいかに魅力的かを吹き込むのだとか。

あるいは、未公開株のパンフレットが送られてきた数日後に消費者センターを名乗る感じの良い女性から、
最近、未公開株パンフレットによる詐欺被害が多いので注意喚起を行っています
という電話がかかってきて、
○社の未公開株パンフレットを持っていることを伝えると
被害報告は×社なので○社は大丈夫です
このように段階を踏んで徐々に徐々に人をその気にさせるのが特徴です。



【劇場型詐欺に引っかからないためには】
・先にお金を出すことであとから利益が出るという儲け話は相手にしないこと
・あなただけにという誘い文句や期間限定と言ってくるのはほぼ詐欺
・未公開株や金融商品を電話で勧誘なんていうのはありえない話
というのを理解しておくことと
話の途中でもお金の話が出たらすぐに電話を切る
警察に相談することを伝える
ことです。

健康食品を送りつけてくる詐欺も急増している昨今。
食品のみならず化粧品や入浴剤などのケースもあり懸賞に当たったのかなとか無料サンプルかなとか思ってしまう人が多いのです。

数日後電話やハガキが届いてお金を請求されるのだそう。
お金を払わないのなら家に行くなど徐々に脅しっぽくなるのも特徴です。

【送りつけ商法にだまされないためには】
・断るときにけっこうですと言ってはいませんか？断るときはけっこうですではダメでいりませんとしっかり言う。
・断ったに食品が届いたら受け取りを拒否して構わない。宅配業者は気にしなくて平気です。
・断りきれなかった場合でも一定期間内ならクーリングオフができるので安心です。



また、架空請求詐欺も未だにあとをたちません。
例えば、パソコンを立ち上げるたびアダルトサイトからの請求画面が出てくる場合。
あなたは有料サイトを見たのでお金の振り込みを確認できないとこの画面は消えない
と書かれているのです。
お金を払えば消えるのかとついつい振り込んでしまう人も多いのですがこれも明らかに詐欺です。

このような画面が出てくる場合は知らずしらずのうちに怪しいソフトをダウンロードしていることがほとんどです。
ダウンロードした記憶がなくてもパソコンが勝手にダウンロードしていることもあります。
こうした場合はただソフトの削除を行えばいいのです。
架空請求詐欺に関してもただ無視するにかぎります。
迷惑メールにあるリンクにアクセスをしたりましてやメールに返信してもいけません。

【架空請求詐欺にだまされないために】
・完全無視
・相手は丁寧で感じのよい口調ですが惑わされない
・給料の差し押さえや法的処置といったワードもドキッとくるが完全無視
・延滞料や調査料などのそれっぽい上乗せ請求も完全無視

これだけ政府や銀行、警察が振り込め詐欺に目を光らせていても、親世代をターゲットにした振り込め詐欺が減らないのはそれだけ手口も巧妙化しているからと言えるでしょう。
シニア世代の多くは振り込め詐欺の電話を受けたことがあるのだとか。
ある男性は、息子が危機なので新幹線でお金を持ってきてという電話を受けたそうです。
振り込め詐欺だとわかりつつも最愛の息子に何かあったのではと心配になったそう。
そこでその男性の家では、息子が定期的に「オレだけど」とふざけて電話をかけてはだまされないようにしているのだとか。

また、還付金がありますが申し込み金が必要と詐欺師といっしょにATMにいくケースもあるのだとか。
あるいは、手続きが面倒だったら代わりにやってあげると言ってキャッシュカードを預かってそのままいなくなるケースもあります。

だまされたことに気づかないままお金をとられてしまうため親と話し合い問題意識を高めましょう。
【振り込め詐欺にだまされないためには】
・子どもや孫とは連絡が取れるようにする
・常に電話は留守番電話にしておく
・お金の話になったら電話を切ることにしておく
・知らない人は家にあげない
・キャッシュカードの暗証番号は普段から口にしない