性別:男
大学卒業後、アフラック生命保険での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、 マンション営業企画に携わった。
その後、独立系FP事務所を経て、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務めながら文才を活かし金融系ライターとして活躍の幅を広げている。
知ってる?<地獄の沙汰も金次第>の本当の意味
2014.08.21
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おどろおどろの黄泉平坂/亡者が哭けばで鬼が笑う
されど極楽浄土は雲の上/地獄の沙汰も金次第?
世知辛いこの世の中みな口をそろえて<地獄の沙汰も金次第>と申しますなあ。しかしこの諺がこの世は金さえあれば思い通りになる、あの世の閻魔様のお沙汰も金さえあれば放免されるという意味であるとお思いであればそれは とんでもない誤りでございます。
この<地獄の沙汰も金次第>ということわざ、実は元になったお話がありまして今回はその元となったお話を2つご紹介いたします。
地獄に墜ちかけた長者さまの話
その昔とある村がありまして金持ちの長者さまが、村人をたくさん雇って田んぼで働かせておりました。
しかしある日その長者さまがぽっくり亡くなってしまったのでございます。
遺族の方々が山のお寺の和尚さまに供養をお願いしたので、お寺の和尚様が準備をしていると、なんとその供養をしようとしている長者さまがあの世で地獄へ引っ立てられていく様が突然見えたのでございます。
これはきっと長者さまが貯めこんだ富を、村の人たちに与えずにいたからだと考えた長者さまは、小僧を呼び寄せて
「長者さまの財産を村人に分け与えるようにしなさい。さもないとこのままでは長者さまの魂が地獄に墜ちてしまうと急いで長者さまの遺族に伝えるのだ」
とおっしゃいました。小僧は長者さまの屋敷へ走り、遺族に和尚様の言伝を伝えました。話を聞いた遺族はすぐに倉へ飛んで行って、村人たちに財産を分けて回ったのでございます。
こうして村人達は長者さまの富のおかげで貧しくなくなり、長者さまが地獄行きになるお沙汰も無くなったということです。
しかしある日その長者さまがぽっくり亡くなってしまったのでございます。
遺族の方々が山のお寺の和尚さまに供養をお願いしたので、お寺の和尚様が準備をしていると、なんとその供養をしようとしている長者さまがあの世で地獄へ引っ立てられていく様が突然見えたのでございます。
これはきっと長者さまが貯めこんだ富を、村の人たちに与えずにいたからだと考えた長者さまは、小僧を呼び寄せて
「長者さまの財産を村人に分け与えるようにしなさい。さもないとこのままでは長者さまの魂が地獄に墜ちてしまうと急いで長者さまの遺族に伝えるのだ」
とおっしゃいました。小僧は長者さまの屋敷へ走り、遺族に和尚様の言伝を伝えました。話を聞いた遺族はすぐに倉へ飛んで行って、村人たちに財産を分けて回ったのでございます。
こうして村人達は長者さまの富のおかげで貧しくなくなり、長者さまが地獄行きになるお沙汰も無くなったということです。
蛇になった長者さまの話
次に語るのは先に語ったお話の更に元になったという、お釈迦さまが弟子に伝えたお話でございます。
ある若い僧が旅をしておりましたところ、一匹の蛇が現れこのように語ったのです。
まだ生きていた頃私は裕福な暮らしをしていた金持ちでした。しかし寿命を終えるとこの身が蛇となってしまったのです。今では富を傍受するばかりであったがために徳が足らず、こうして己の姿を蛇と成さしめたと悟りましたが既に遅すぎました。今は生前の行いを悔いております故、私の残された富を世のために役立てていただけませぬか。
若い僧は蛇の頼みを聞き入れてやりました。しかし月日が経つ内にすっかりその事を忘れてしまったのでございます。
約束が果たされなった事に業を煮やした蛇は、再び若い僧の前に現れこのように言い放ちました。
私の富を世のために使ってくださるという約束でしたのに、貴方は私との約束を守ってくれませんでしたね。貴方は私の事をしょせん蛇だとあなどって、私の話も本気で聞いてはくださらなかったのでしょう。
蛇の頼みだと思って約束を守らなかった若い僧は自身の至らなさをとても恥じ入りました。そして その若い僧は自分の前世なのだよとお釈迦様は締めくくられたそうな。
ある若い僧が旅をしておりましたところ、一匹の蛇が現れこのように語ったのです。
まだ生きていた頃私は裕福な暮らしをしていた金持ちでした。しかし寿命を終えるとこの身が蛇となってしまったのです。今では富を傍受するばかりであったがために徳が足らず、こうして己の姿を蛇と成さしめたと悟りましたが既に遅すぎました。今は生前の行いを悔いております故、私の残された富を世のために役立てていただけませぬか。
若い僧は蛇の頼みを聞き入れてやりました。しかし月日が経つ内にすっかりその事を忘れてしまったのでございます。
約束が果たされなった事に業を煮やした蛇は、再び若い僧の前に現れこのように言い放ちました。
私の富を世のために使ってくださるという約束でしたのに、貴方は私との約束を守ってくれませんでしたね。貴方は私の事をしょせん蛇だとあなどって、私の話も本気で聞いてはくださらなかったのでしょう。
蛇の頼みだと思って約束を守らなかった若い僧は自身の至らなさをとても恥じ入りました。そして その若い僧は自分の前世なのだよとお釈迦様は締めくくられたそうな。
本当はお金持ちに対する教訓だった
いかがでしょうか。<地獄の沙汰も金次第>本来はこのような話が元になっていたのでございます。
このことわざは私共のような庶民にではなく、長者さまのようなお金持ちに対する
「大きな財は自分だけのために使わず世のため人ために使いなさい」
という教えだったのであります。
いやいや御存じ無かったという方も心配はございません。むしろここで知ることができた貴方様は運がよろしい。どうしてかと言いますとあの世で閻魔様をお金で釣ろうなどという狼藉を働かずに済んだからでございます。
あの世でも頼みになるのは金でも蜘蛛の糸でもなく、己の生き様という事なのでしょうなあ。
さてさてそれではまた会う日まで。これにてオサラバにございます。
<完>
夏という事で今回はあの世だの地獄だのちょっとおどろおどろしいテイストにしてみました。ちなみにこの記事を書いている時だったのですが、"意味"という文字を打っている時にいつもは普通に"意味""意味"と漢字が出るのに、突然"忌"という漢字に変換されてちょっとびっくりしたライターNであったとさ。
このことわざは私共のような庶民にではなく、長者さまのようなお金持ちに対する
「大きな財は自分だけのために使わず世のため人ために使いなさい」
という教えだったのであります。
いやいや御存じ無かったという方も心配はございません。むしろここで知ることができた貴方様は運がよろしい。どうしてかと言いますとあの世で閻魔様をお金で釣ろうなどという狼藉を働かずに済んだからでございます。
あの世でも頼みになるのは金でも蜘蛛の糸でもなく、己の生き様という事なのでしょうなあ。
さてさてそれではまた会う日まで。これにてオサラバにございます。
<完>
夏という事で今回はあの世だの地獄だのちょっとおどろおどろしいテイストにしてみました。ちなみにこの記事を書いている時だったのですが、"意味"という文字を打っている時にいつもは普通に"意味""意味"と漢字が出るのに、突然"忌"という漢字に変換されてちょっとびっくりしたライターNであったとさ。
この記事を書いた人
中村祐公認会計士、AFP
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