キャッシングの不正利用とその対策
世の中でキャッシュレス化が進み、多くの方がクレジットカードを利用しています。
2018年3月に日本クレジット協会がクレジットカード不正使用被害金額の集計結果を発表しました。ここでは、2017年の被害額が前年の2倍ほどになっており、このような犯罪がさらに増加していく傾向が伺えます。
このように、便利で使える場所も多いクレジットカードも現金と同じように不正に利用される可能性が伴っています。また、現金とは違って使用とともに実際に貨幣のように減らないので、不正利用されていても気づかないケースが多く存在します。そのようなリスクへの理解が浸透しておらず、いまだ被害に気づいていない利用者も多くいらっしゃいます。
この記事ではそのような不正利用について、対策とともに解説していきます。
クレジットカードの不正利用に気づくには?
クレジットカードの不正利用は、利用明細書やカード会社への電話で確認できます。
ここでは、それぞれの方法についてご説明していきます。
まず、利用明細書についてです。
毎月、利用明細書がカード利用者のもとに送られてきますが、これをきちんと確認することでその月に不正利用の有無を確認できます。身に覚えのない請求を明細書に見つけた場合には、誰かにカードを悪用されている可能性があるため、すぐにカード会社に連絡し、確認しましょう。
また、以前まで明細書は郵送されていましたが、最近では手元に届く代わりにWEB明細書を推奨するカード会社も増えており、自分からログインして確認する必要があります。利用状況を長期間確認しないままでいると、気づいたら不正利用の補償期間を過ぎていたということもあるので、カード会社から請求金額確定の通知メールが届いたら確認する習慣をつけるようにしましょう。
次に、カード会社からの電話によって不正利用に気づくケースです。全てのカード会社で、不正利用がないか常時チェックする監視体制が備えられているため、不審だと思われる取引が見つかった場合には、直接カード会員に電話し、本人が実際に利用しているかを確認しています。これを踏まえ、本人が利用していそうな用途で不正利用をする犯罪も増えてきています。
できるかぎりカード会社からの電話だけを頼りにせず、自分でカードの利用状況をこまめに確認することを心がけましょう。
よくある不正利用と予防方法
よくある不正利用を2つあり、その対策についてもここでご紹介します。
1つ目はスキミングです。カードの磁気情報を何らかのタイミングで盗まれ、財布から目を話した瞬間にカードが抜き取られ、偽造カードが作られてしまうことがあります。カード自体はなくならず、請求が来て発覚するケースが多く、気づくのが遅くなりやすいです。ATMにスキミング装置が仕込まれていたこともあり、クレジットカードのキャッシング機能を利用する場合にも注意が必要となります。予防策としては、スキミングされにくいようなカードの利用をすること、また会計の際にクレジットカードから目を離さないようにすることが挙げられます。会計の場面ではカードを預けるのが一般的ですが、もし不安な場合には対面での決済をお願いすることも重要です。
2つ目は、紛失・盗難です。
クレジットカードをなくしてしまった際には、第三者にカードを不正利用されてしまう可能性もあります。スキミングよりは気づきやすいですが、これについても対策は限られてきます。
まず、スキミングの予防策と同じように目を離さないことを意識する、そしてこれらのリスクを考慮した上で限度額・キャッシング枠についても見直すことが重要です。使わなくなったクレジットカードは解約し、頻繁に使うカードのみを徹底して保管しましょう。また、暗証番号の漏洩についても常に気をつけてください。
まとめ
不正利用方法とその対策は分かりましたでしょうか?最後にキャッシングを不正利用された場合についてをまとめます。
キャッシング枠を利用する場合、盗難と同時に暗証番号が他人に知られてしまい、不正利用のリスクが高まります。キャッシングサービスを設定したときに登録された暗証番号が使われている場合には、不正利用の補償の対象とはなりにくいです。誕生日、カード番号など第三者がすぐにわかってしまうような番号は避け、万が一不正なキャッシング利用をされた場合に、補償対象であるかを把握していることも重要です。スキミングなどにより、キャッシングを利用されてしまった場合には「補償対象」となり、また財布を紛失し、生年月日で登録した暗証番号を入力しキャッシングを利用されてしまった場合には「補償対象外」となります。
これらについても留意してキャッシングを利用しましょう。